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実家を空き家のまま放置して大丈夫?

自分の育った実家に住む人がいなくなってしまい、処分をためらって空き家のまま放置してしまうと、様々な弊害が起こります。たとえば、固定資産税を含む維持費が毎年かかったり、老朽化することで大きなトラブルに発展してしまう危険があったりと、思わぬ問題を引き起こすことがあります。そのため、空き家の対処方法はしっかりと検討しておかなければいけません。空き家を放置することのリスクを整理しておきましょう。

実家を空き家のままにしておくとかかる維持費とは

実家を空き家の状態で放置していると、維持するだけで様々なコストがかかります。主なコストは、空き家と土地にかかる都市計画税と固定資産税です。

さらに、保険料や光熱費の支払いが発生します。万が一のトラブルに備えて各種の保険にも継続して加入している方が多く、放火や事故によるリスク回避のために火災保険料を支払っているケースが多いです。住む人が誰もいなくても水道は継続して契約していることが多く、防犯システムなどを利用していれば電気代も継続して発生することになります。ガスやインターネットは解約しておきましょう。

また、誰も住んでいない空き家であっても、家屋自体を維持する費用がかかります。屋根や外壁が劣化してくると、剥がれたり、落下したりという危険性があるため補修工事を行わなければなりません。さらに、敷地内に木や草地などがあれば、伸び放題では近隣の迷惑にもなりますので定期的な手入れが必要です。

税金や補修費などのメンテナンスにかかるコストの合計は、家屋の価値に対して年3~4%程度になると言われています。そして、土地も家屋も、市場取引価格は年におよそ2%を目安に下がることが特徴です。つまり、維持するための費用に4%、取引価格の低下2%、合わせて6%もの損失が発生していることを認識しておく必要があります。

無人になった家屋は弊害ばかり

家屋を無人のまま放置していても、多くの弊害を生み出します。いくつかの例を挙げて紹介いたします。

1つ目は、ネズミなどの害獣の発生です。日常的に水道を使っていると排水管のS字部分には常に水が溜まっている状態になるので、問題ありません。しかし、長期間にわたって水道を使用していないと、このS字部分の水が蒸発して下水管からネズミが侵入する経路になったり、下水のニオイが上がってきたりします。一度、ネズミが侵入してしまうとネズミの巣ができてしまい、大量発生につながります。

2つ目は、カビやシロアリの発生です。閉め切ってしまうとすきま風も入らないような密閉性が高い造りになっている住宅は、夏場には高温多湿になりやすいです。湿度が高くなると壁や床や天井にカビが繁殖し、木造住宅であれば柱や屋根といった内部構造にもカビが浸食するケースが見られます。また、高温多湿の環境はシロアリをはじめとする害虫にとっても好条件なので、害虫の大量発生にもつながります。

ネズミや害虫の繁殖は、空き家となった住宅だけを蝕むのではなく、エサや新たな住処を求めて近隣の住宅へも移動します。

3つ目は、雑草などで景観が悪くなることです。空き家にして放置している実家が一軒家の場合、庭の手入れを定期的に行わなければ、地域の景観を損ないますし、害虫が発生するリスクもあります。隣との境界線を越えて伸びてしまうと近隣トラブルにもなりますし、明らかに誰も住んでいないことがわかるのは、4つ目の原因にも関係しますが防犯上の問題にもつながります。

その4つ目の弊害は、犯罪の誘発です。ポストに大量のチラシや郵便物がたまっている、外壁や屋根が壊れている、草木が伸び放題だったりと空き家であることが一目でわかると、不法侵入や不法投棄、放火などの犯罪を誘発します。空き家を放火のターゲットにする犯罪者は多く、無人のため火の手に誰も気付かず大きな火事になれば近隣住民の命も危険にさらします。また、未成年が不法侵入をして飲酒や喫煙などの違反行為にふけったり、不審者や逃亡犯が侵入する懸念もあります。

空き家を有効活用する方法

実家が空き家になってしまった場合、賃貸物件にして人に貸し出したり、解体して土地を売る方法もあります。人が住めば老朽化を防ぐことができますし、家屋の年数が経っていて借り手が見つかりそうになければ更地にすることで買い手が現れる可能性はあります。

家屋の中に日用品や家財が残っているような場合、不用品回収業者に処分や回収を相談すれば、賃貸物件にするにしろ解体するにしろ、家を空っぽにすることができます。不用品回収業者の中には不動産売却や解体を行っている業者もありますので、まとめて相談することで空き家問題を打開することができます。