海外に輸出されるリサイクル品
不用品回収業者は、文字通り不用品を引き取ってくれる業者ですが、業者の中には買取をしてくれる業者もあります。ブランド品や状態の良い家具や家電だけでなく、「え?こんなものまで?」という品も買い取ってくれたりします。
こんなものを買い取って一体どうするのだろう?と不思議に思われるかもしれませんが、積極的に買取ができる理由の一つが、海外での需要です。日本では需要がなくて売れないようなものであっても、海外では中古品でも需要があるアイテムもかなり存在します。そこで、今回は中古品の「海外リサイクル事情」について、説明していきます。
日本の中古品はどこにリサイクルされている?
日本でリサイクルに出されるさまざまな中古品は、国内だけでなく海外にもたくさん輸出されています。たとえば、自動車やオートバイの部品や鉄素材などは、中国がその主要な輸出先です。北米やヨーロッパでも、日本製の製品は幅広いジャンルで人気がありますが、取引規模自体は少なめです。
リサイクル品全般の取引のなかで、その大きな海外輸出シェアを占めているのが東南アジアです。東南アジアでは衣服や日用品、家電製品といった日本製の生活用品全般が人気なのでその取引量は多く、それぞれの東南アジア諸国で独自の販売ルートを持つリサイクル業者が多数存在します。東南アジア諸国は比較的日本と距離が近く、また「メイド・イン・ジャパン」ブランドは質が良いというイメージが大きいことも、中古品であっても需要が高いのです。特に取引先の多い国としては、マレーシア、タイ、フィリピンといった国があげられます。
これらの国のうち、慢性的に物資不足とされているフィリピンは、日本の中古品市場が最も熱い国の1つです。フィリピンでは家電や日用品など、多くのジャンルの中古品が売れているので、日本の不用品回収業者なども積極的に販売ルートを開拓している傾向があります。東南アジア諸国は経済成長の著しい地域ということもあり、さらなるビジネスチャンスを狙ったあらゆる中古品輸出業者が参入しているのが現状です。
海外ではどんな品物が人気があるの?
海外で人気のある日本の中古品にはどんなものがあるのでしょうか。
大きな傾向として、ヨーロッパや北アメリカ地域では衣類などのアパレル、家電、電化製品などを中心に幅広く売れる傾向があります。そして、個人輸入や小規模店舗向けでは意外なことにありふれた日用品もかなり人気があります。たとえば、プラスチック製の大小さまざまな容器類、はさみやカッターなどの文房具は海外製にはない使いやすいデザインが注目されています。そして日本製のアニメやゲームは世界中に愛好家がいるため、北米やヨーロッパ、南米といった地域で安定した人気があります。アニメやゲームでなくても、子供のおもちゃは日本マニアの間で人気があるので、比較的状態が良いものであれば買取してもらえる可能性が高いです。
東南アジア圏では、上記のようなジャンルの品物に加えて、かばん、傘、靴といった日用品のリサイクル品が幅広く売れています。衣料品はマレーシア、タイ、フィリピンなどでも人気のジャンルの1つです。日本からのリサイクル需要が特に高いとされているフィリピンでは、日本からの中古品だけを扱った市場が開かれているほどで、日用品から家具、電化製品、雑貨類と、ほぼ何でも売れてしまいます。
利用するなら海外に販売ルートを持つ不用品回収業者
このように、日本ではゴミにしかならないような不要品であっても、実は海外では需要があるために買取が可能なのです。
日本の中古品が海外でニーズがあることがわかっても、現地での市場価値がわからない不要品の1つ1つをオークションサイトを利用して売買していくのは大変ですし、個人レベルでは言葉の問題やシッピングの問題もあります。海外に販売ルートを持ち、大量に輸出ができる在庫を持っている業者に任せてしまうのが現実的です。
また、海外では売ってはいけないものや、取引が制限されているものがあり、販売のやり方も地域によってさまざまです。たいていのものが売れるとされているフィリピンであっても、自動車、オートバイ、液体製品、年式の古い家電などは販売が制限されているものがあります。さらに、品物の状態によっては売れないものもあるので、その場合は解体、修理などの処置を行ったうえで、商品として輸出できる状態にまでもっていくことが必要です。
買取を積極的に行っている不用品回収業者であれば、海外への販売ルートを持っています。家具や家電だけではなく、捨てるしかないと思っていた日用品でも買い取ってもらえるかもしれませんので、不用品回収業者に引き取りを依頼する際には買取の相談をしてみましょう。