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産業廃棄物と一般廃棄物は何が違うのか

「産業廃棄物」という言葉は知っている人も多いですが、「一般廃棄物」と何が違うのかを知っていますか?廃棄物には明確な定義があり、処分に関しても定められてる法律があります。日本のゴミ問題は深刻であり、世界一ゴミを排出している国とも言われています。消費者としては避けられない、そんなゴミ問題にしっかりと向き合う為にも廃棄物の種類について知っておきましょう。

産業廃棄物と一般廃棄物は何が違うのか

そもそも廃棄物の定義は、「価値がなく自分で利用する事も他人に販売する事も出来ない物」を指します。廃棄物はさらに「産業廃棄物」と「一般廃棄物」に分類され、産業廃棄物はさらに「事業活動によって排出されたゴミの中で、法令で定められた20種類」と「特別管理産業廃棄物」の2種類に分けられます。これに当てはまらないゴミが「一般廃棄物」に分類されるのです。

事業所から出るゴミで法令で定められている20種類の中には、例えば「木くず」や「繊維くず」が含まれますが、業種によって20種類の中に入るかどうかが変わってきます。

「特定管理産業廃棄物」とは、産業廃棄物の中でも人体や生活環境に対して危険性があるものが指定されています。爆発性、毒性、感染性のある廃棄物がこれにあたり、産業廃棄物の中でも特に管理が厳しい物になっています。特別管理産業廃棄物が出る事業所には「特別管理産業廃棄物管理責任者」という責任者の設置が義務付けられており、排出される段階から厳格に管理され、厳しい規則に従って処理されていきます。

産業廃棄物の処理に関する問題点

産業廃棄物の処理は「産業廃棄物処理法」によって定められており、原則として排出した事業所が自ら処理を行わなければならないとされています。しかし全ての事業所が産業廃棄物の処理を基準を守って処分する事は難しく、実際には業者に委託して産業廃棄物の処理を行っている所がほとんどです。業者に委託をする時に書類を交わすのですが、その制度を「マニフェスト制度」と呼びます。このマニフェスト制度を正しく理解し、しっかりと契約を結ぶ事が重要です。

産業廃棄物を業者に委託したとしても、その時点で事業所の責任がなくなる訳ではありません。もし仮に委託した業者が不法投棄などを行っていた場合、排出した事業所も責任を負う可能性があります。そうならない為にもどのように処理されるかを事前に確認し、廃棄物の流れを事業所も把握しておく必要があります。これを確認することこそがマニフェスト制度の目的であり、事業所は契約時に必ず利用してください。

マニフェストの書類には、産業廃棄物の種類・数量・運搬方法などが記入されており、収集から最終処分までの流れが分かるようになっています。この制度は自らの身を守る為にも、廃棄物が不法に処分されて環境を壊さない為にも重要な制度となります。

産業廃棄物の処理方法について

産業廃棄物を処理するプロセスは、収集運搬と処分に分けられ、それぞれ都道府県の許可が必要です。

収集運搬はその名の通り、産業廃棄物を排出した事業所まで収集に行き、その廃棄物を処理場まで運ぶ作業です。あくまで収集運搬なので、一時的にでも保管する事は許されていません。収集したら直接処理場まで運ばないといけないと決められています。

運ばれてきた廃棄物は、処理場でまず中間処理を行います。中間処理とは、「安全化」「安定化」「軽量化」のどれかを行い危険性のない状態へと変える作業です。その手段は様々ですが、例えば廃酸や廃アルカリは中性にする事で「安全化」したり、大きなものを砕いたりする事で「軽量化」します。3つのいずれかの方法で処理された廃棄物は、埋め立てられる形で最終処分される流れとなります。

産業廃棄物は決められた規則に従い処理する決まりになっていますが、自分の事業所から出たゴミの区分や処分方法を判断するのは難しい場合もあります。そういった時は自治体や不用品回収業者に相談する事も1つの方法です。不用品回収業者では幅広い種類の産業廃棄物の処理を受けている事が多く、処分に困った時の大きな味方となります。ただしすべての不用品回収業者が産業廃棄物を処理できる訳ではありません。処分が可能かどうかは事前に確認をしておきましょう。

最終処分まで責任を持って把握する

産業廃棄物は決められた基準に従い処分しなければなりません。

事業所から出たゴミであれば恒常的に大量に発生したり、危険性のある物質が含まれていることもあります。処分に何かしらの問題が発生した場合は、自治体や不用品回収業者に相談するなどして、しっかり確実に処理できるようにしましょう。また、処理を委託した場合でも委託をしたら終わりではなく、最終処分まで責任があると自覚する事が大切です。一消費者としても、事業所としても責任を持って処分しましょう。